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『99歳精神科医の挑戦-好奇心と正義感』秋元波留夫 2005 岩波書店
http://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/02/X/0225430.html
(タイトルは失敗ですよねぇ。なんか怖いよん)

著者は、治安維持法や戦時下の弾圧における精神医療、
本土復帰前の沖縄の精神医療、共同作業所設立等に立会った経験等の
証言と洞察を述べています。
戦後動乱期や学生運動に関しても同じく。
そういう意味で
本書は20世紀の日本の精神医療や社会に関する証言書でしょう。

また、秋元氏自身の立ち位置と思考は
時代や社会的思潮の変化に動されず、常にブレがない。
良い意味で頑固なのですが、
4つの時代にわたり
その頑固を貫きとおすのは並大抵のことではないと思います。

本書中の
「現代の摩天楼に象徴される巨大な物質文明の表皮のもとで、
 わたしたち現代人の心は2千年前の聖書が書かれた時代と
 あまり変わることがありません」。
1世紀を経験してきた人のその言葉に、非常な重みを感じました。

なお、息が詰まるような固い話題だけではなく
葦原将軍の新たなエピソードもあり、おもしろかったです。
(大奇人「葦原将軍」のエキセントリックぶりはこちらを参照。
 ほんとオモシロイ人だったんですよ)↓
http://www.adachi.ne.jp/users/yossie/kyouki.htm

まぁ、ふだんの生活には
日本の精神医療の歴史なんて、まず関係がないですよね?
社会的に注目されているトピックでもないし。
それなのに、そういう「関係のない本」を
ジャンル関係なく敢えて読むのが私の傾向です。
大げさに言うと、氷山の下に隠れている90%をチラ見したいのかな。
加えて、自分の視点が変わったり、
本筋以外にもグッと来るものがあったりするから
「関係のない本」を読むのがやめられません。

「続きを読む」に秋元氏の経歴を簡単に挙げておきました。 秋元氏の経歴
「明治生まれ。大正時代に実兄を国民病の結核で亡くしたのち
 東京帝国大学医学部に進学。
 当初、兄を奪った結核を専門に考えていた著者であるが
 1冊の本の序文に突き動かされて精神医学へ進む。
 金沢医科大教授、東大教授、国立武蔵療養所長、
 都立松沢病院長など歴任。
 日本精神衛生会会長、きょうされん、ほか顧問多数。
 1999年以降だけでも既刊13冊の著訳書」

ちなみにオウム真理教の麻原に関しては
坂本弁護士「失踪」事件の頃から疑っていたそうです。
麻原が逮捕されるまでに、
麻原や関係者の本を30冊以上読んでいたとか。

また、この本を読んでからネットで知ったのですが
最近、松本(=麻原)に接見した秋元氏のコメントが
某番組で流されていたそうですね。
しかしそのコメント内容は
番組側がコメントの一部を恣意的に選んで放送したのではないか?
と思います。
前後の文脈を切って放送したら誤解を招くよう。
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|05/09| コメント(0)TB(0)












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